ネカフェ店員しー姉の密かな愉しみと、18禁誌に撃ち込まれる容赦なきシール​【ネカフェのバイトはきつい?現役店員が仕事内容の裏側と珍客エピソードを大暴露】

ネカフェバイトの裏側

​1. 新刊到着と「パソコンの神」の微笑み

​毎晩、ネットカフェにはどっさりと新刊のコミックや雑誌が届く。

実はこれが、私の勤務時間における密かなお楽しみ作業なのである。

​段ボールを開封し、まずは自分の読みたいコミックが混ざっていないかを鋭くチェックする。

目当ての最新刊を発見した時の私のテンションたるや、心の中で小さくガッツポーズを決めるほどである。

​ご機嫌で作業を開始し、まずはタイトルに間違いがないか検品。

続いて、コミックのページに挟まった不要なチラシ類を1冊ずつ抜いていく。

​……のだが、ここで最大の試練が訪れる。

​パラパラとページをめくっているうちに、どうしても内容が気になり、つい手が止まって読みふけってしまうのだ。

作業の手が完全にストップしている私を通りすがりに見つけた「パソコンの神」こと後藤さんは、

​「ん〜、そのコミックは面白いですよねぇ〜」

​と、仏のような優しい笑顔で呟き、静かにパソコンのメンテナンス作業へと向かっていった。

​(……なんと神々しい優しさだろうか)

​しかし、この神の慈悲に甘えていてはいつまで経っても作業が終わらない。私は我に返り、慌てて手を動かし始めたのであった。

​2. 盗難防止シールと「店員の特権」

​検品が終わると、納品日付のスタンプを押し、店舗の印を押し、専用のコミックカバーをかけていく。

​そして、この工程の中で最も重要なのが「盗難防止のセキュリティシール」を貼る作業である。

​ネットカフェにおいて、コミックの盗難は死活問題だ。

たった1巻でも盗まれてしまうと、中古で単品購入ができない場合、泣く泣く全巻セットで買い直すハメになるのである。店側としてはたまったものではない。

​このセキュリティシールを貼っておけば、未会計のまま出口のゲートを通ろうとした瞬間に「ピリリリリ!」と店内中に警告音が響き渡る。

これまで幾度となく、このシールがお店の貴重な財産を守ってきたのだ。

​こうして無事にコミックを作り終えると、私はお気に入りの新刊をそっと一冊だけ、作業台の隅へ別にキープしておく。

​フロアの棚へ出す前に、まずは私が一番乗りで読むのだ。

これぞまさに、ネカフェ店員だけに許された至高の特権なのである。

​3. 18禁誌の「一番いい場面」に訪れる無情な決断

​コミックの次は、週刊誌や月刊誌の作業に取り掛かる。

こちらも同様にスタンプを押し、セキュリティシールを貼っていくのだが、雑誌には特有の「袋とじ」という厄介な存在がある。

​袋とじの多くは少々アダルトな内容なのだが、これを未開封のままフロアへ出してしまうと、興奮したお客様によって無惨に手でバリバリと破られてしまうのだ。

そのため、あらかじめ私がハサミでキレイに開けておくという親切設計を施している。

​そして、さらなる強敵が「18禁男性誌(いわゆるエロ本)」である。

​この手の本は、なんと中のページをカッター等でビリッと破って持ち帰ってしまう心無い人物が現れるのだ。

そこで私は、パラパラとページをめくりながら検閲を行う。

​人妻ものから学生ものまで、ありとあらゆる物語が繰り広げられる中、

​(……ほう、さあ、いよいよ盛り上がってまいりました!)

​という、まさに物語のクライマックスとも言える絶好のページを見つけ出し、そこに容赦なくセキュリティシールを『ペタリ!』と貼り付けるのだ。

​盛り下がらせて悪いが、仕方がない。

いくら盛り上がっていようが、店の本を破いて持っていくのは犯罪なのだから許されないのである。

​ちなみに、私(しー姉)は「ふむふむ、ここが一番のクライマックスだな」とプロの目でじっくり確認してから容赦なくシールを撃ち込むのだが、うブな大学生スタッフ達はこういう本を検閲するのがどうにも恥ずかしいらしく、ページをろくに見もせずに適当なところへ『ペタリ』と貼って逃げ出してしまう。

「まったく、甘いな……」と、私は彼らの青くささを心の中でそっと見守るのであった。

​4. 新刊棚の視線と、至福のコーヒータイム

​全ての加工が終わると、出来上がったコミックたちを新刊専用の本棚へと並べに行く。

​すると、待ちわびていたお客様が「何か新しいコミック入ったかな?」と真剣な目つきで棚を物色し始めるのが目に入る。

自分が丹精込めて作った本が誰かの手に取られる瞬間というのは、なかなか誇らしいものである。

​作業を終えた私は、堂々と休憩に入った。

温かいコーヒーを淹れ、先ほどそっとキープしておいた新刊コミックを開く。

​(ふふふ……やっぱりこの漫画、最高に面白いな)

​静かな店内でコーヒーを飲みながら読むコミックの味は格別だ。

ネットカフェという場所は、お客様だけでなく、働いている私にとっても実に味わい深いワンダーランドなのである。

💡 さて、ここまで読んでネカフェで働いてみたくなった物好きなあなたへ

​漫画好きにはたまらない「新刊のいち早いチェック」や「誰よりも早く読める店員の特権」を味わえるネットカフェのバイトは、実はなかなか味わい深い仕事である。

​静かな空間で黙々と作業するのが好きな人や、人間観察をしながら心の中でニヤリとしたい人には、まさにうってつけの職場と言えるかもしれない。

​興味が湧いてしまった方は、試しにお近くのネカフェ求人を覗いてみてはいかがだろうか。もしかしたら、あなたも『18禁誌の盛り上がったページにシールを貼る職人』になれるかもしれない。

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